考え事で何も手につかない状態を変える方法

ライフハック

なんだか最近何も手につかないなぁ。。
もやもやするなぁ。。

考え事で頭がいっぱいになり、何も手につかなくなるという経験は誰もがあると思います。特に最近は情報が多過ぎてそうなっている人が多いのではないでしょうか。

考え事で頭がいっぱいになっている状態というのは、自分が思考を握りしめている状態、つまり思考と自分が融合=フュージョンしている状態だ、とACTでは言われます。

ACTとは、Acceptance Commitment Therapyの略語です。


ACTは、〜省略〜 自分のコントロールの及ばないものを受け容れ(acceptance)、人生を豊かにする行動を取ることを自己決定する(commitment) から名付けられた

よくわかるACT – 明日からつかえるACT入門 –

ACTは体系化された6つのプロセスから成り立っています。詳細は省略しますが、このうち「脱フュージョン(defusion)」と呼ばれるプロセスについて本記事では紹介します。

「脱フュージョン」と名前だけ聞くと、なんか怪しいな、、と思われる方いらっしゃると思いますが、安心してください。ちゃんとした理論に則り、さまざまな論文も発表されているそうです。

「脱フュージョン」は、自分が思考を握りしめている状態を和らげるプロセスです。思考を自分から離すことで今目の前のやるべきことに集中できるようになります。

私自身、コロナ禍で在宅勤務が始まり環境の変化についていけずモヤモヤしている時にACTに出会って、「脱フュージョン」のプロセスを通して心が軽くなりました。

それでは、「脱フュージョン」について簡単なワークも交えて紹介していこうと思います。

考え事で何も手につかなくなる状態を変える方法について

考え事で何も手につかなくなる状態を変える方法として、ACTにおける脱フュージョンを紹介します。

脱フュージョンとは、思考を観察するプロセスです。思考とは、頭の中にある言葉や映像のことです。言葉や映像を自分と切り離して、一歩下がってみるためのプロセスです。

脱フュージョンの目的は次の通りです。
・思考は単なる言葉やイメージに過ぎないことを理解する
・思考が価値に従って生きるのを妨害するのを防ぐ

脱フュージョンのプロセスを実践することで、悩んでいることをいったん置いておこうという気になれます。そのため、他のことを考える余裕ができたり、どういう行動を今するべきかを考えることができるようになります。

ごちゃごちゃしている頭の中が整理されるわけではありませんが、今やるべきことに集中できるようになります。

私が実践してみて効果があるなと思った「脱フュージョン」のワークを2つ紹介していきます。

考え事で何も手につかなくなる状態を変えるワーク1

ワークの1つ目は、思考に対する捉え方を意識的に変える方法です。

まず、頭の中でいっぱいになっている考え事は、どういうネガティブな自己評価が引き起こしているものなのかを書き出します。その中で一番嫌な、辛いものを選びます。

次に、選んだネガティブな自己評価を「私はXだ」という形に言い換えて、10秒間、心の中で自分に言い聞かせます。例えば、「私は起こってもいないことに不安を感じている」という感じです。

今後は一文付け足して、「私は『私はXだ』という思考を持っている」と言い換えて、10秒間、心の中で繰り返します。例えば、「私は『私は起こってもいないことに不安を感じている』という思考をもっている」という感じです。

さらにもう一文付け足して、「私は『私はXだ』という思考を持っている、ということに気づいている」と言い換えて、10秒間、心の中で繰り返します。例えば、「私は『私は起こってもいないことに不安を感じている』という思考をもっていることに気づいている」という感じです。

以上、このワークではネガティブな思考が自分と切り離されていく感覚を得ることができます。

頭の中を埋め尽くしていた思考と距離が取れて、心がちょっと軽くなります。

考え事で何も手につかなくなる状態を変えるワーク2

ワークの2つ目は、思考をモノに喩えることで外から観察する方法です。このワークは、マインドフルネス瞑想の要素も含まれています。

瞑想をしている中で、余計な思考が頭をよぎることがあると思います。これは誰でも起こることで、至極当然のことです。その思考を以下のようなモノに喩えることで、思考と距離を起き、観察することができます。

  • 思考は、あらゆる話題をふることであなたの気を散らそうとする、話し上手な語り手である
  • 思考は、出てきてはどこかへ消えていく、あなたの側を通り過ぎていくただの車である
  • 思考は、消すことのできない、どこからか流れてくるラジオの音である

思考をこのように捉えることで、頭の中を埋め尽くしている思考にいちいち反応せず、観察することができます。そして受け入れることができ、いまやるべきことに集中できるようになります。

考え事で何も手につかなくなっているときにやってはダメなこと

これまでは思考と距離を取るためのワークを紹介してきました。ここでは逆にやってしまうと逆効果になってしまう行動も紹介しておきます。

  1. 気を紛らわす
    例えば、テレビを観る、買い物をする
  2. 離れる(逃げる)
    例えば、行動を止める、避ける、先延ばしにする
  3. 考える
    例えば、他人を責める、自分を責める、不安になる
  4. 物質依存
    例えば、暴飲暴食、処方薬

これらは自分の気持ち、思考をなんとかコントロールしようと思ってやってしまうことだと思います。ただし、こういった行動は短期的には心が晴れるものの、長期的な効果はありません。

それでもやってしまう。。私はそうです。。

どうやったらこのような行動を取らなくなるのか、そのためには短期的な報酬と、長期的な報酬を考えてみるのが効果的です。

たとえば、気を紛らわすために買い物をする。短期的なメリットは気持ちが楽になる。長期的なメリットは、、、特にないかなぁ。そういえば今月も貯金を切り崩しちゃったな。。
と考えるわけです。

ここで挙げた行動が解決につながらないということをしっかりと認識するのが大事です。

まとめ

考え事で何も手につかなくなっているときにやるべきこと、やってはいけないことをそれぞれ紹介してきました。

まとめると、次の通りです。

  • ACTにおける「脱フュージョン」のワークを実践して、思考と感情を切り離す
  • 短期的な報酬を得るためだけの行動をしない

注意点としては、脱フュージョンでは思考が整理されたり、なくなったりしないということです。また、必ず気持ちが楽になるかというとそういうわけではありません。
あくまで思考に邪魔されずに本来考えることに集中するためのもので、気持ちをコントロールするものではないということを覚えておく必要があります。

情報過多でさまざまなストレスに晒されて、何も手につかない、という状態から、何か今できることを始めてみよう、という気持ちになれたら幸いです。

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